事案の内容

　お客様（男性）は知人の女性と２人でホテルの部屋で朝まで過ごしたことから、夫から不倫を疑われ、夫から数百万円の慰謝料の支払いを求める民事訴訟を提起されました。しかし、ホテルで過ごしたのは、女性の具合が悪くなってしまったことなど複数の要因が重なったためであり、性的な関係は一切ありませんでした。

当事務所の活動内容

　訴訟の中で、なぜお客様が女性とホテルで過ごすことになったのかを詳細に主張しました。またその後のお客様と女性のメール等のやり取りを詳細に主張することで、性的関係がなかったということの間接的な事実を積み重ねていきました。その結果、裁判官の心証も、不倫はなかったという方向に近づいていきました。

結論

　解決金として１０万円を支払う内容の和解を成立させました。判決になっても勝訴の見込みがありましたが、勝訴しても夫が控訴して第２審に移行すればさらなる時間を要し、感情的な対立が深まる可能性がありました。そのため、お客様と相談して１０万円の解決金を支払うことで円満に決着させることにしました。

処理のポイント

　本件は不倫の有無が争点で、ホテルで朝まで過ごすなど一見非常に厳しい状況にありました。しかし、細部に至るまで間接的な事実を丁寧に拾い上げて主張することで、裁判所に何が真実かを理解してもらえたことから和解に至ることができました。裁判における立証活動は弁護士の腕の見せ所で、不十分な訴訟活動をすると、誤った事実に基づく判決を受けてしまいます。事実関係に争いのある事案を弁護士に依頼する場合には、どのような立証活動をする予定なのかよく確認するとよいでしょう。