事案の内容

　お客様（女性）は、友人の紹介で知り合った男性と性的な関係を持ち妊娠したため、その男性と結婚の約束をするに至りましたが、まもなくして男性が結婚を止めたいと述べたため、やむなく中絶を選択することになりました。お客様は男性に対し、中絶の費用と慰謝料を請求したいとご相談にいらっしゃいました。

当事務所の活動内容

　お客様を代理して、相手の男性と交渉をしました。交渉に際しては過去の裁判例を十分に検討し、いくらくらいの慰謝料ないし中絶費用の請求が認められるのか予想を立てました。

結論

　中絶費用の全額（数十万円）と、慰謝料８０万円の支払を受けることで、早期に示談を成立させることができました。本件事案に固有の事情をよく検討したところ、裁判を起こして判決になれば、これよりも少ない金額しか獲得できない可能性が高い事案でした。

処理のポイント

　慰謝料を請求する事案も請求される事案も、判決になった場合、どの程度の慰謝料額になりそうか、過去の裁判例に照らして慎重に検討することが重要です。悲観的になりすぎて必要以上に不利な内容の和解をしても、楽観的な見通しで強気な交渉をして法的手続に発展させても、お客様にとっては不利益です。適正な条件で早期に解決することは、解決までの時間・コストの節約になるだけでなく、お客様の精神的損害を拡大させず、元の生活に早く戻るためにも有益です。慰謝料請求事件は、先を読む力と相手の心理をも考慮した交渉術が要求されます。